ブラックジャックにおけるエースは1と11の両方の役割を持つ特殊なカードであり、適切に扱うととても有利にゲームを進めることができる最強のカードです。
しかし、他のカードとは扱い方が異なるため、初心者のうちはどのように扱えばいいか悩むこともあるでしょう。
この記事では、ブラックジャックの戦略で重要な意味を持つエースの特徴や扱い方について解説します。
- ブラックジャックでのエースの役割
- ブラックジャックにおけるエースの重要性
- 戦略的なエースの扱い方
ブラックジャックでのエースの役割
ブラックジャックというゲームでエースは特別な役割を持つカードです。戦略的にも重要な意味を持っているので、その役割をしっかりと理解しておくことはブラックジャックで勝つために重要です。
エースは1と11の両方の役割を持つ
ブラックジャックは21を超えない範囲でできるだけ21に近い(大きい)数字を目指すゲームですが、カードの数字の数え方が特殊です。
2~9までのカードはそのまま2~9の数字として扱います。10・ジャック・クイーン・キングの4種はすべて10と数えます。
そしてエースは1と11の両方の役割を持っています。最初は11として数えておき、ヒットして21を超えると1として数えるように切り替えることができます。
その時々でより1として数えた方が強い手札になるときは1、11として数えた方が強い手札になるときは11として数えるのでとても都合がいいカードなのです。
ブラックジャック成立にはエースが必須
ブラックジャックで最強の手札はゲームの名前と同じ「ブラックジャック」ですね。ブラックジャックが成立すると通常の1.5倍の配当を得ることができます。
このブラックジャックの成立条件は「エース+10点のカード」の組合せです。
ブラックジャックでは10・ジャック・クイーン・キングの4種はすべて10と数えるため、1組のトランプに10点のカードは16枚あります。
全体の4/13(約30.8%)が10点のカードなので、10点のカードを引くのはそれほど難しくありません。
しかし、エースは4枚だけで、全体の1/13(約7.7%)しかないので、なかなか引くことはできません。
そのため、ブラックジャックが成立するためにはエースが重要なキーカードになるのです。
実際のゲームでのエースのカウント法
エースは1と11の両方の役割を持っています。
ルールが身についていないうちはどのようにカウントすればいいか迷うシーンもあるでしょう。
ここで、実際にブラックジャックをプレイしている時にどのようにカウントするかを説明します。
1か11かは自動的に判定される
ブラックジャックではエースは1と11の両方の役割を持っていますが、これはその都度プレイヤーが選択するのではなく、その時の手札の組合せから自動的に選択されます。
その時の手札がより強い手札になるように、エースを11と数えても21を超えないときは11と数え、11と数えると21を超えてしまうときは1として扱います。
プレイヤーが自らバーストやより弱い手を選択することは戦略上あり得ないため、わざわざ宣言する時間を取らずにディーラーが判定してゲームを進行するわけですね。
手札の組合せ | カウント |
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エースを1として数えた場合 結果 20 |
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エースを1として数えた場合 1+9+3=13 エースを11として数えた場合 11+9+3=23 結果 13 |
例えばエースと9の組合せでは、エースを11と数えると20となりバーストしないため、11と数えます。ここでヒットして3が来て、エースと9と3になると、エースを11と数えた場合23となりバーストしてしまうため、エースは1になり13と数えます。
エースが2枚ある場合
エースを2枚持っている場合はそれぞれ個別に1か11かを選択できます。しかし、両方を11と数えると22でバーストしてしまうため、1+1=2の組合せか1+11=12の組合せとして数えます。
基本的にはエース1枚の時と同じ考え方で、1+11=12と数えてもバーストしない場合は1+11=12として扱い、1+11=12と数えるとバーストする場合は1+1=2として扱います。
手札の組合せ | カウント |
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1+1=2 結果 12 |
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1+1+3=5 1+11+3=15 11+11+3=25 結果 15 |
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1+1+3=5 1+11+3=15 11+11+3=25 結果 15 |
ブラックジャックが成立した場合
最初に配られた2枚がエースと10点のカード(10・ジャック・クイーン・キング)の組合せになるとブラックジャック(ナチュラルブラックジャック)成立となります。
ブラックジャックは最強の組合せであり、その時点で勝利が確定するためヒットもスタンドも選択する必要はありません。
そのため、ブラックジャックが成立した場合はエースは自動的に11として扱われることになります。
手札の組合せ | カウント |
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11+10=21 |
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11+7+3=21 ブラックジャック不成立 |
なお、同じ合計21になる組合せでも「エースと10点のカード(10・ジャック・クイーン・キング)の組合せ」でない場合はブラックジャック不成立となります。
戦略的なエースの扱い方
エースはブラックジャックでは1と11の両方の役割を果たす特殊なカードであり、戦略的にも重要な意味を持っています。
ここで、ブラックジャックでの勝率を上げるための戦略的なエースの使い方を解説します。
ブラックジャックにおけるエースは最強のカード
ブラックジャックにおけるエースは最強のカードです。エースが最強と言える理由は2つあります。
1つ目の理由は最強の組合せであるブラックジャックの成立にとって必要不可欠なカードだからです。
ブラックジャックの成立条件は「エース+10点のカード」の組合せですが、このうち10点のカードは10・ジャック・クイーン・キングの4種あるため約30%の確率で引くことができます。
そのため、2枚の手札のうち1枚がエースであれば約30%の確率でブラックジャック成立となり、ゲームに勝利するだけでなく配当も通常の1.5倍になります。
2つ目の理由は1と11の2つの役割を持ち、常に都合の良いほうの数字として働いてくれるからです。
エースが含まれている手札のことをソフトハンドと呼び、ブラックジャック不成立の場合でも結果的にディーラーに勝利する可能性が高くなります。
ソフトハンドのベーシックストラテジー
ブラックジャックではプレイヤーがヒットやスタンドといった選択をしてゲームを進めていきますが、どの選択が期待値が高い最善手であるかは数学的に解明されています。
この最善手をまとめたものをベーシックストラテジーと呼び、この通りにプレイすることで常にベストの期待値でプレイできるのです。ブラックジャックで勝ちたいなら知っておくべき基礎知識と言えます。
ソフトハンド(エースを含む手札)では、最初11としてカウントしていたエースが状況により1に変化します。そのため、合計値が同じでもハードハンド(エースを含まない通常の手札)とは最善手が異るため注意が必要です。
ソフトハンドではベーシックストラテジーの表も通常のものとは異なるため、プレイ中に間違えないようにしましょう。
ソフトハンドは大チャンス
ソフトハンドは結果的にディーラーに勝利する可能性が高いとても有利な手札です。なぜなら、ソフトハンドはヒットしてもバーストするリスクがないため、安全に強い手を狙うことができるからです。
例えば合計13の手札を考えてみましょう。
目標である21に対して13は低いので、このままではディーラーに負ける可能性が高く、できればヒットしてもう1枚カードを引きたいところです。しかし、9以上のカードを引くとバーストして負けということになります。
ブラックジャックでは9以上のカードを引く確率は約38%の確率となるため、バーストするリスクがかなり高い不利な状況です。
しかし、同じ合計13点でも「エース+2」のソフトハンドの組合せであれば結果は全く異なります。
1~8までのカードを引いた場合には21に近づくため、単純に合計13より強い手札になります。9を引いた場合はAが1に変化し合計13のまま、10・ジャック・クイーン・キングを引いた場合は合計14となり、いずれにしてもヒットによって不利な状況になるリスクがありません。
エース2枚の組合せはスプリット
ブラックジャックでは最初に配られた2枚が同じ数字の場合、カードを1枚ずつ分けるスプリットという選択ができます。スプリットを選択すると、分けた1枚にさらに1枚ずつ配り2つのハンドで勝負することになります。
エース2枚の組合せの場合はスプリットを選択することが基本戦略になります。
1枚がエースの状態では約30%の確率で10点のカードを引きブラックジャックが成立するため、スプリットした片方または両方がブラックジャック成立となる可能性が高いため、この時点でかなり有利な条件と言えます。
さらに、ブラックジャックが成立しなかった場合も必ず期待値の高いソフトハンドとなるため、その後も有利にゲームを進めることができるのです。
このようにエース2枚の組合せをスプリットすると、有利な条件でプレイできる手札が一度に2組できるため、一気に配当を獲得できる大チャンスと言えます。
逆にスプリットしなかった場合は合計12となり、21に対してかなり低く、かつヒットするとバーストするリスクもある、とても弱い手になってしまうので、スプリットを選択するようにしましょう。
ブラックジャックのエースに関するQ&A
ブラックジャック初心者によくあるエースに関する疑問をまとめました。基本的な内容ですので疑問に思った方はぜひ参考にしてください。
エースはブラックジャックの戦略でなぜ重要なのですか?
エースは1と11の両方の役割を持っているため、ゲーム進行によって数字が変化するという特殊な働きをします。
エースが手札に含まれた状態ではとても有利にゲームを進めることができるのですが、数字が変化するという特殊な働きのため、通常のカードでは不要な判断が必要になるため、エースが手札に来た時の戦略を把握しておくことが重要なのです。
エースが2枚あるときは常にスプリットすべきですか?
エース2枚をスプリットすると、最強の手札であるブラックジャックが成立する可能性が高く、ブラックジャックが成立しない場合でもゲームを有利に進めることができるソフトハンドとなります。
しかし、スプリットしない場合は、最も弱い手札である合計12になってしまい、スプリットしないメリットは全くありません。
そのため最初に配られた2枚がエースの時は常にスプリットする方が有利です。
ソフトハンドでは常にヒットすべきですか?
ソフトハンドでは、合計の数字が大きい場合でもエースを1とカウントすることによりバーストを回避できるため、ヒットしてリスクなくより強い手を狙うことができるというメリットがあります。
しかし、19(A+8)や20(A+9)などの強い手の場合は、ヒットによって数字が小さくなってしまうことがあります。例えば19(A+8)でヒットして3を引いてしまうと、12(A+8+3)になってしまい、とても弱い手になります。
そのため、ソフトハンドでもヒットする方が期待値が低い状況もあるので、ベーシックストラテジーを確認しておきましょう。